私のワキガ体験 「まさか自分がワキガだったなんて...」

「自分の臭いは気づきにくい」といいますが、まさか自分がワキガだったとは…

この体験談はAさん(20代女性)より寄稿していただきました。

■ 私がワキガに気づいた瞬間

「まさか自分がワキガだったなんて…。」

はじめて自分の臭いに気づいた時の感想がそれです。

私はいま、20代前半の社会人です。

事務仕事が多いため働いている時間の大半はオフィスの机で過ごします。

あの日のことは忘れもしません。

社会人生活も慣れ始めた6月の中頃だったと思います。

午前中に私の直属の上司から急に呼びだされました。
会議室に入ると、なんだか気まずそうな顔をした上司がそこに。

「あのね、気を悪くしないで、、聞いてもらいたいんだけど、、じつは、、、」

なんだか奥歯にものがつまったような物の言い方。

いつもハキハキして仕事のできる彼女を間近に見ていただけに、「何の話だろう??」と急に不安になりはじめました。

「えっとね、、実はあなたの体臭について何人から相談されていてね、、、」

急にそんな風に言われて私は呆然。

「それでちょっとだけ気をつけてもらいたいと思ってるのだけど、、、」

いま考えると精一杯気を遣ったいい方だったと思います。きっと上司も周りから私に直接伝える役目をおしつけられ困っていたのだと思います。。臭いを指摘するのって言う側も困りますから。

でも当時の私はそんなことを考える余裕なんてありません。まさか自分がワキガだったなんて思いもしませんから、何がなんだか分かりません。

その日の午後は後のことはあまり覚えていません。ショックで頭が真っ白になりなっていました。それでも仕事をなんとかこなし家に帰ってこれました。

家に帰ってきてベッドに倒れ込み、午前中に上司から言われたことを考えてくるうちに涙が止まらなくなりました。

「私がクサイって他の子から苦情があったんだ」

「私ってそんなにクサイ?」

「周りからそんな風な目で見られていたの?」

「あの子もあの子もみんな!」

「もう会社になんて行けない!!」

「辞めるしかない…」

考えれば考えるほど死にたくなってきます。

自分がワキガだったという事実より、普段仲が良かった子やうまくやっていた会社の仲間も、心のなかではもしかしたらクサイと思っていたのかもしれないということが何よりツラかったです。

その日はお風呂で2時間くらい体を洗っていた気がします。。。

■ 自覚がなかった学生時代

私の学生時代は、いま思えば幸運でした。

だって自分がワキガだなんて夢にも思っていませんから。

知らないということがこれほどラッキーなのかと今にして思います。

もしかしたらこの頃はそれほど臭くなかったのかもしれません。

友達もそれなりにいましたし、すぐ別れてしまったけど彼氏だって一応できました。

家族に何か言われたこともありません。

でも昔っから汗っかきで体育の後は大変だったのは覚えています。スプレータイプの制汗剤をたくさん使っていました。

■ ワキガだと自覚してからの話

上司に指摘されてからというもの、私は自分がクサイということが何となく分かってきました。自覚してしまえば臭いもわかってくるものです。

ホントに私はクサイんだ…。そう思ったらさらにヘコミます。

それまでわりとポジティブな性格でしたが、一気にネガティブな性格に変わりました。

何をしていても人の目ばかり気になっていたのです。

  • 電車に乗っているとき
  • エレベーターに乗っているとき
  • オフィスで仕事をしているとき

とにかく密室がいやだったので、なるべく避けるようにしていました。

満員電車に乗りたくなかったので早起きして7時には会社について近くの喫茶店で時間をつぶし、エレベーターには乗らず階段か、エスカレーターを歩くようになりました。

会社の人との関係も変わったような気がします。

というか私があまり周りの人と関わらないようにしていました。

だって近づいてクサイと思われたら心が折れますから。

お風呂も1日2回も3回も入るようになりました。ワキを入念に洗ってしっかり乾かします。

汗をかいたらもっと臭くなる気がして仕事中も何度もトイレへいき拭いていました。

■ 手術をするかしないかで思い悩む

本気で悩んではいても病院にいく勇気はありませんでした。お医者さんにワキガかどうか診断だけしてもらおうかとも考えましたがそれもやめました。

医者にはっきりとワキガだと診断されてしまうのはどうしてもイヤだったからです。

とにかく本を読みました。ネットで調べました。

●「食生活を変えろ」「生活習慣を直せ」

どこを見てもありきたりのことしか書いていません。努力もしました。でも改善しません。

いますぐどうにかしたいと思っている私にとって、このアドバイスは何の意味もありませんでした。

●「ワキガなら手術をしろ」

こういうことをいう人がいます。ムチャ言わないでよと思います。

自分のワキにメスをいれるんですよ?

それで汗腺を切除するんですよ?

1回で十数万円かかるんですよ?

そこまでやって100%治るとは限らない。再発の可能性もアリ。

それでもやる勇気は私にはありませんでした。

■ デオドラントもいっぱい試しました。

結局できるのは直接的なニオイケアだけ。手当たり次第にデオドラント商品もたくさん試しました。

500円くらいで買えるものから1万円近くするものまで本当にたくさん試しました。

薬局で買えるようなものは大体試しましたし、ネットで探して口コミなども調べていろいろ買っていました。怪しい海外輸入のやつも試しましたね。海外のはあんまり効果なかったけど。

ぶっちゃけお金はいくらかかってもいいと思っていました。それでワキガじゃなくなるなら。

デオドラントの使いすぎで脇の下がヒリヒリすることもしょっちゅうです。

どの商品がいいのかってきっと人によって違うと思います。肌に合う・合わないもあるしワキガの程度にもよりますから。

でも一つだけアドバイスをするならロールオンタイプよりもクリームタイプのほうがいいと思います。薬局で買える安いものって直塗りするロールオンタイプが多いんですが、これは衛生的によくないです。臭いもついちゃいますし。

クリームタイプなら手で塗るのでそのへんは大丈夫。あと小さいので会社にも持って行きやすいってのもあるかも。

■ 今の私、ワキガを受け入れつつある私

今の私はワキガが治ったわけじゃありません。

手術もしていませんし、人の目を気にするクセもなくなっていません。もちろん最大限できることは頑張りましたしお金も使いました。でも治っていません。

でも少しだけあの頃よりワキガの自分を受け入れつつあります。

治すために努力をしたこともその理由のひとつ。

肉ばかり食べているとクサくなるって知ってからは食べ物には気を遣っているし、満員電車に乗りたくないから自然と早寝早起きする規則正しい生活になりました。

でももっと大きな理由があります。

それは家族や友達や、そして私にワキガを指摘した上司がワキガの私を肯定してくれたから。

上司は「あなたがワキガだろうが別に構わない。そんなことでバカにしたりけなしたりしないし今まで通り接するからあなたも負けないでほしい」と励ましてくれました。

家族には、とくに母親には私が本当に落ちていたとき「どうしてこんな体に産んだんだ」と泣きながら当たってしまったことがありました。そのとき母も「ごめんね。本当にごめんね」と泣いてくれました。そして一緒にワキガのことを調べてくれたりいろいろと支えてくれました。

友達も「そんなことで友達やめたりしない。というか今までクサイと思ったことないよ。」と言ってくれました。

みんなみんなあったかい言葉をかけてくれました。

もちろん今でも陰でいろいろ言っている人もいると思います。ワキガに人権はないとか思っている人もいるかもしれませんね。すれ違いざまに心ない言葉をかけてくる人もいます。

でも私の味方になってくれる人がいると分かっただけで心がずっと軽くなったんです。

今の私、ワキガは治っていないけど自分を少しだけ認めることができた。クサかろうがクサくなかろうが私は私だとちょっとだけ肯定できた。そう思えるようになったのは周りの人のおかげ。

これを読んでいるあなたに伝えたいのはひとつです。

悩んで迷って行き詰まってしまったら、身近な信頼できる家族や友人に相談してみてください。臭いの悩みが人に言いにくいことはわかっています。でも人に話して聞いてもらうだけでずっと楽になります。

何の解決にもなっていないかもしれないけど、これが私が感じているいまの率直な想いです。

そして最後に、私が大事にしている言葉をプレゼントします。どこで見つけたか忘れてしまいましたがこれをはじめて見たとき、心がフッと軽くなりました。

『悩んだ分だけ人に優しくなれるよ。だから今あなたが悩んでいることもきっとムダじゃない。』

最後まで読んでいただきありがとうございました。